保護者からの手紙

昨年届いた一通の手紙を紹介します。

「震災があり、家、財産、家族、友人、大切なものすべてが流されました。
壊滅的な被害の中何とか娘とは再会することができました。」

開口一番娘は、

“塾はやめるからね、習い事も行かなくて大丈夫だから。”娘なりに状況を悟ったのか、そう話していました。

(中略)

半年がすぎ、少しずつ生活が落ち着いたところで、娘に本当の気持ちを聞いてみました。

“やっぱり塾に行きたい、習い事も続けたい“

泣きながらそう話していた娘に

「何とか好きなことをやらせてあげたい」 それが親としての私の願いです。


被災地では生活を立て直すための多くの費用が各家庭に重くのしかかっています。
そのような中で、子どもたちの教育にはお金がまわりにくい現状もあります。
昨年CFCでは、150名の募集枠に対して、1,700名の子どもたちから応募がありました。
子どもたち・保護者の方からお問い合わせをいただく度に、

「なんとか応えたい」そう強く思います。

私のパソコンには、1550通の落選通知の写真を入れています。
それは、「なんとか応えたい」というその気持ちを忘れないためです。
この現実を知ってしまった以上、それを解決に向かわせる責任が私にはあります。
しかし、それは到底一人でできることではなく、皆さんの力が必要です。

昨年11月バウチャーを受け取った子どもたちのスピーチを聞いて涙がとまりませんでした。
しかしそれは悲しみの涙というよりは、この大震災を前にしても前向きに生きる姿への涙でした。
確かにその子どもたちは、前を向き、経験をプラスにし、これからの夢を語っていました。

ある子どもは、震災時にお年寄りを助けて感謝された経験から、人の役に立つ仕事に就きたいと言いました。
またある子どもは、震災の記事をみて記者を目指したいと語っていました。

軽々しく言えることではありませんが、新たな未来を切り開いていくことが、
被災者への哀悼の意を表す一番の方法なのだと感じています。

学校外教育バウチャーという教育のインフラをつくる活動はまだ始まったばかりですが、
「すべての子どもに機会を。すべての子どもに夢を。」のスローガンのもと
今後も励んでいきます!