【大阪市塾代助成事業】8/31 日本経済新聞(夕刊)に掲載されました

CFCが運営を行う大阪市塾代助成事業が、8月31日(金)日本経済新聞(夕刊)に掲載されました。
ネットでの掲載がなかったため記事全文を紹介します。

『習い事クーポン広がるか 就学援助の中学生月1万円分交付』
大阪市、西成で来月から
試行周知・不正防止 課題に

 塾や習い事に使えるクーポンを低所得世帯の中学生に配布する大阪市の「学校外教育バウチャー制度」が、9月から西成区で先行実施される。先月から利用者の交付申請が始まり、塾側も受け入れに力を入れる。広く習い事にも使えるバウチャーは自治体としては全国初の取り組みで、来年度には全市で導入する計画だが、保護者らへの周知や不正利用防止など普及には課題もある。
 「学習塾に比べぜいたくだと思われていたが、中学生に気軽に来てもらいたい」。同区で十数年パソコン教室を開く寺井信英さん(63)は、制度の開始を新聞で知るとすぐにバウチャーが利用できる事業者としても登録を済ませた。
 バウチャー制度は低所得世帯の中学生に市が月1万円の塾代を助成する仕組みで、利用額の9割を市が換金。1割は事業者側の負担となるが、寺井さんは「西成区にはパソコンがない家庭も多く、時代に遅れないよう教えてあげたい。どんどん利用してほしい」と語る。
 市は今年度予算8800万円を計上。「特区」に位置付ける方針の西成区で、中学生全体の半数に上る約千人を対象に試験的に実施し、来年度以降は全市的に展開する見込みだ。
 市によると、8月25日までに隣接区を含め44の事業者が登録を申請。大手学習塾のほか、ピアノ教室やパソコン教室、陶芸教室なども手を挙げており、ビジネスチャンスとしても注目されている。申請は今後も随時受け付け、市側の実施調査などを経て正式に登録される。
 利用者側の中学生も期待を膨らませる。
 区内の中学2年の男子生徒(13)は「友達と一緒に塾に行けるのはうれしい」。すでに学習塾に通っている中学1年の女子生徒(13)は「ピアノ教室にも行きたい」と語る。市によると、保護者から「今通っている塾は対象か」「空手道場には使えるのか」といった問い合わせも相次いでいるという。
 一方、課題もある。クーポンは使徒が限られるとはいえ、生活保護のように一部で「貧困ビジネス」に悪用される懸念がある。市は不正使用防止のため、大手印刷会社の技術を活用。券に偽造されにくい加工を施すほか、顔写真入りのIDカードを一緒に配り、利用時の確認を徹底する。
 不正対策では大阪府警にも相談しているといい、市こども青少年局の担当者は「西成区で適切な利用法を定着させることが、全市展開へのカギになる」と話している。

大阪市の学校外教育バウチャー制度
西成区で就学援助を受けている家庭の中学生を対象に、教育に使用目的を限定した月1万円のクーポンを交付する。市側が認定すれば、学習塾のほか、美術や書道、スポーツ教室などでも金券として使うことができる。来年度以降に全市展開した場合、年間約30億円の事業になると想定しており、市は塾側の雇用創出効果にも期待している。