学校外教育フォーラム〜被災地の学校外教育の現状とこれから〜

学校外教育フォーラム開催しました。

教育事業者の方、NPO関係の方、大学生等の様々な方がご参加してくれました。

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○基調講演(60分) NPO法人アスイク代表理事 大橋雄介

被災地での教育支援活動を通じて、感じたことや実際に被災地した方々から聞いたお話等を元に
分かりやすく今回の震災が子どもたちに与えた影響や子どもたちの現状について話をしてくださいました。

そして、震災によって経済的ダメージを受け貧困状態に陥る子どもたちが多くいることを
社会全体の問題として捉え、市民一人ひとりがアクションを起こしていく必要があると話してくださいました。

※大橋様は「3.11被災地子ども白書」を刊行しております。ぜひ、お読みください。
http://newsasuiku.seesaa.net/article/241534876.html


○クーポン利用者からの話(15分/3名程度)

クーポンを実際に利用する子どもたち3名に来ていただきました。
(彼ら彼女らは、見事に受験に合格しました!! 本当におめでとうございます。)
被災後の学びの状況、どうして学校外教育を受けているのか、また将来の夢について話をしていただきました。

※簡単にお話いただいた内容を紹介します。
【中学3年生女子】
震災後は、勉強できる環境がなくなり勉強が大変遅れてしまったことで焦っていた。
そんなときにクーポンを使って学校外教育を受けて遅れた勉強を取り戻そうと思った。

【高校3年生男子】
受験勉強は、部活引退後となってしまった。
引退後は必死で予備校で勉強をしたけれど、なかなか成績が伸びず悩んでいた。
そんなときにクーポンのことを知り当選した。
一対一で指導をしてくれる家庭教師の先生と一緒に勉強することで分からないところを潰していった。
受験が終わった今も、「大学合格がゴールじゃない」と今でもコツコツと勉強を続けています。

【中学3年生女子】
震災後、それまで通っていた個別塾と通信教育を辞めざるおえない状況となってしまった。
さらに勉強をする環境を失ってしまい、元々行きたかった学校を諦めかけていた。
そんなときにクーポンのことを知り、当選し塾で勉強を重ね行きたかった高校に合格できた。
自分の進みたい道に進むために高校でもクーポンを使いたい。


○パネルディスカッション(60分)

CFCの学校外教育クーポンを取扱う教育事業者5名にご登壇いただき、
被災地における学校外教育の実状、現在の課題や成果などを発表いただきました。

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テーマ
『被災地の学校外教育の現状とこれから』

パネリスト
(1)K学習塾 指導本部長 星 正敏(宮城県石巻市
(2)佐藤英会話・五學塾 塾長 佐藤 良吉(岩手県陸前高田市
(3)新教育ゼミナール 取締役 木村 喬也(宮城県石巻市
(4)株式会社セレクティー 専務取締役 鈴木 由美(宮城県仙台市
(5)まなびの森 代表 坂本 一(宮城県角田市

コーディネーター
東北大学大学院文学研究科助教 中室 牧子

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被災地の学校外教育の現状について、
被災地の教育事業者の皆様からお話をいただきました。

「被災したことで学習が遅れ、学力が下がっているのは事実。」

「被災したことで元々、通っていた習い事を辞めざるおえなくなった子どもがいる。」

現場の声をたくさん聴くことができました。


そして、最後にコーディネータからの議論をまとめていただきました。


日本における学校外教育は子どもの教育について考えるとき、
最も重要なファクターの1つである。

アメリカで学校外教育を受けている子どもは全体の内7%であるのに対して
日本では50%を超えている。

学校教育に加え、学校外教育の機会の保障することが被災したことで
様々な機会を喪失した子どもたちを支える上で重要な役割を果たしていいくことになる。


○交流会(45分)

教育事業者様同士の交流や教育事業者とブラザー・シスターとの交流があり
とても貴重な機会となりました。

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子どもたちの教育を支えていくためには、
多くの方々が協働していくことがとても大切だと思います。

担任の先生
部活動の先生
近所のおばちゃん、おじちゃん
スポーツ少年団の指導者
塾の先生
ピアノの先生・・・・

それぞれがそれぞれの役割を果たし、協力できるところは、連携していく。

すべての市民が子どもたちを支えていく当事者であるのだと思いました。

仙台事務局 雑賀 雄太